カラー版 エロスの美術と物語―魔性の女と宿命の女



カラー版 エロスの美術と物語―魔性の女と宿命の女
カラー版 エロスの美術と物語―魔性の女と宿命の女

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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魔性の女と宿命の女

この本には「魔性の女と宿命の女」という副題がちゃんと付いている。
だからこの本がファム・ファタルを中心とした論述になっていることには何の問題もない
のである。作品例として多数の美しい画像を使っており、なかには日本人などには初めて
お目にかかるような絵や画家も多い。そういう楽しさもこの本にはある。

ここで扱われている虚実含めたヒロインたちの名前を列挙すれば、背景となった西方世界
の歴史や神話の広大な宇宙が透けて見えるようだ。ヨーロッパ人たちが囚われ続け、また
世界にも影響著しい屈折したエロス(愛)の実相も姿を見せる。
私の好きなクラーナハの作品も多数あり、かつてウイーン美術史博物館で見た「ホロフェ
ルネスの首を持つユディト」の艶やかな画面を懐かしく思い出す。
羊頭狗肉の書でしかない。

 題名から想起されるようなEROSに関する美術一般を扱った本ではありません。
 本書は主に19世紀末のデカダンな雰囲気を湛えたサローメーら「魔性の女」、およびラファエル前派や象徴派の画家を中心とする「宿命の女」を描いた絵画を列挙した小画集でしかないからです。

 カナ書きやアルファベット表記の誤りなど些末な点は、ここでは問わないことに致しましょう。
しかし、それにしても、「男性のエロティックな美術作品」がほとんど全く掲げられていないのに、「エロスの美術と物語」というタイトルを付けたことには呆れ果てざるを得ません。もう少し適切な表題をつけて貰わねば、購買者が困惑するばかりです。

 なお、掲載されている画図そのものは、なかなか美麗な写真が揃っております。



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